複数のシステムに分散した物流・施工情報と、関係性を重視した問い合わせの難しさ

物流・施工管理に必要な情報が、複数の社内システムに分散していました。同じ質問であっても、その都度担当者が資料を収集・整理する必要があり、遅延や問題がほかの業務に及ぼす連鎖的な影響を把握することも困難でした。特に、「どの資材の問題が、どの工程・スケジュール・担当者とつながっているのか」といった関係性を重視した問い合わせが多く、文書やテーブル単位の検索だけでは、こうした文脈をつなげることが難しいという課題がありました。

Knowledge GraphとLLMエージェントの連携

主要データを統合したGraph DBを構築し、業務上の関係性を物理的につなぐことで、連鎖的な影響を追跡できるよう設計しました。また、データを毎日最新の状態に更新するパイプラインを構築し、最新データに基づいた回答を可能にしました。

ユーザーが質問すると、業務上のオブジェクトを特定してGraph DBを探索し、関係性を踏まえた文脈を生成したうえで、追加の検索・検証を経て回答するLLM Agentチャットボットを構築しました。従来のVector DBベースのRAGが類似文書の検索にとどまっていたのに対し、Graph DBベースのRAGでは、エンティティとその関係性をグラフとして保存し、質問に応じて構造化されたコンテキストをLLMに提供します。

一度の質問で把握できる全体状況と連鎖的な影響

物流・施工の統合情報、スケジュール、遅延状況を、複数のシステムを開くことなく、一度の質問で把握できるようになりました。専門知識のないユーザーでも自然言語でスケジュールへの影響分析を依頼でき、複雑な画面操作やコードを必要とせずにCritical PathやDelayを迅速に確認できます。また、品目・担当者・スケジュール・問題・メールなど、複雑に絡み合った関係についても、手作業で照合することなくKnowledge Graphから即座に追跡できるようになりました。